文旦

2024年2月某日 近所を散歩中、みかんの木をあちこちの家の庭で見かける。みかんの木であるというのは、僕が見た瞬間にそうと分かったのではなくて、無礼を承知でその木をGoogleレンズでパシャリと撮って、今ごろ知ったかぶりをしているに過ぎない。見た瞬間…

夜明け前

2024年2月某日 朝の6:00よりも前、バイト先に到着したが、鍵を持っている後輩がまだ来ていなかったので、お店の中に入れない。なので、少しだけ辺りを散歩した。コロナが収まってずいぶん経つけれども、未だに飲食店の従業員はマスクを着けるのが習慣のよう…

2024年2月某日 ある朝、所用で相模原へ向かう途中に小田急線に乗っていたら、登戸に着く直前に、向かい側の車窓から大きな川が見えた。朝の時間帯に川を眺めることはあまりないから、川が流れているという事象はいつでも変わらないのに、勝手にこちらで新鮮…

ソルロンタン

2024年2月某日 2月の上旬に、卒業旅行でゼミの友人たちと韓国に初上陸した。卒業旅行と言っても、僕は大学3年のときにきちんと単位を取得し切らなかったせいで、大学4年の今学期まで試験や課題に追われるはめになったのだから、ここで言う卒業とはあくまで…

2024年2月某日 街中を歩いていて、ふと鳴き声が聞こえたり目の端にチラチラと動く気配を感じたりすると、どうしてもその声や気配の主をこの目で確認したくて、鳥の姿を探してうろうろする。 しかし探し当てたとて、僕にとってはハトとカラスとスズメのほかに…

遅刻

2024年2月某日 学生時代を通して、ほとんど全くと言って良いほど有意義な時間の使い方をしてこなかった僕が、それでもなけなしの自尊心を保つためにすがれる功績は、「早起き」だけである。 僕は大学1年の終わりごろから某カフェチェーン店のアルバイトをし…

通学定期券

2024年1月某日 僕の家の最寄り駅には、定期券を買うための窓口がない。だから通学用定期券を更新しに、3つ隣の駅まで行った。改札口の近くにある窓口に入る。いま手元にある定期券は1月9日が期限切れなので、3か月分の更新をしようと思う。そうすれば、4月の…

飛行機

2023年11月某日 秋晴れのお昼ごろ、大学の課題が嫌になったので、近所の公園まで散歩に出た。つぶれたギンナンまみれのイチョウ並木の道を、鼻をつまみながら通り過ぎ、脇道を入ってまた進み、お気に入りの丘を頂上まで行く。そこでシートも何も敷かず、芝生…